冷蔵庫の音しかしないはずだった。

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職場で腹立たしい事があったので、帰宅して、まず眠った。

 

 怒りが先に立っている。深呼吸では足りない。瞑想では足りない。じゃあもうあとは寝るだけ。眠って眠って眠る。

むしろもやもやしていて活動なんて出来ない。本も読む気がしない。何処か新しい場所にも行きたくない。ごはんだけ掻っ込んで、布団を被って、目を閉じる。意識を閉じる。

 

 それで深夜に目が覚める。ある程度すっきりしているけれど。
まだもやもやしている。

 その頭の上の曇りをかき分けるみたいにノートに気持ちだけをがつがつと書いてみる。どうしたいのか?何に腹を立てているのか?仕事が自分にとってどうなのか?腹が立った相手にどうしたいのか?人は変えられるのか?相手は自分にとって葬式に来てほしいほど、大切なのか。

 

 たくさん書いて、諦めるってのに着地する。左に飛び散った悲しみはもとの位置に。
右に砕けてた怒りはちりとりで集めた。あとは冷蔵庫の音しかしない、自分の部屋だった。窓を開けると鈴虫の声がした。あんなにうるさかったのは僕の頭の中でした。
やっぱり今日も一人でした。

 

 

毎日一人でした。孤独ばかり最近は感じる。姉が好きだった電脳コイルの最終回のセリフを今でもよく思い出す。

「私は友達というものはよくわからないんだ。でもお前は、、、同じ道を迷って同じ道を目指した仲間だ。
 でも仲間なのは同じ道を目指しているときだけだ。私みたいな人間はいつまでも他人と一緒にいては
 自分の道が見えなくなってしまう。また会おう、同じ道に迷った時に。
 それまでは、さようならだ。」

同じ道を目指しているときだけは仲間。俺は今、どこを目指しているんだろう。
大学の時はバンドを組んで、ライブを目指した。ボーカロイドの時は曲を作って、みんなで見えない景色を目指した。

 

 一人になっている。そんな風に思う。ぼんやり今日も終わる。まだ曲は書けません。